8年前、甲子園に現れた2人の新世代ヒーロー「斎藤佑樹」と「田中将大」。彼らの将来に、ファンは大きな期待を寄せたが、両者の境遇は残酷なまでに対照的なものとなっている。斎藤の野球人生を狂わせたのは、早稲田大学時代だと指摘する声は多い。 まず誰もが指摘するのが、技術面。特に「フォームの改悪」だ。あるプロ野球OBはこう語る。 「高校時代は理想的なフォームで、これはとんでもない投手が出てきたぞと思って楽しみにしていたが、大学に進んでから、まるで別人のようになった。正直これでは厳しいというのが感想だった」 どう改悪されたのか。 「高校時代、斎藤は軸足を曲げて力をためる独特のフォームをしていた。軸になる右足を曲げることで、踏み出した左足にも余裕が生まれ、しっかり体重移動ができていた。それが大学に入ると、軸足がやや伸びてきて、踏み込む左ひざにも余裕がなく突っ張ったようになり、上半身だけで投げるよう