今後、ソフトウェアが担う役割を拡大していく要因は、クルマがユーザーの手元に来た後に機能を拡充するアップデートを行おうとしている点です。以前は車両購入後のソフトウェア更新というと、ナビゲーションシステムの地図データのアップデートや、クルマの修理で制御プログラムを修正するのが中心でした。スマートフォンで好みのアプリを追加したり、より良い最新の状態にアップデートしたりするようにクルマが変わっていけば、クルマの使い方や価値も大きく変化します。 「自動車でソフトウェアが担う役割が大きくなっている」という話題は、自動車産業のさまざまな立場の人から語られています。例えばソフトウェアの規模をソースコードの行数で見てみると、1990年ごろの1万行が2000年代初めに100万行に拡大しました。現在の車載ソフトウェアは数億行まで大規模化しており、航空機やスペースシャトルと比べて2桁以上多いともいわれています。