本紙の1月18日週の「人間発見」欄に5回にわたってインタビューが掲載された、元世界銀行副総裁の西水美恵子さんという人を私はまったく知らなかった。専門が英文学の妻も全然知らなかった。インタビューを読んで、二人で西水さんの人生に感動した。いくら畑違いとはいえ、こんなにすごい人を知らなかった自分達を恥じたが、まんざら私の無知ばかりが悪いわけでもなく、日本という社会は、海外にいてなお日本に直接的な利益をもたらしてくれる人でないと無視する傾向があるように思える。 しかし海外に行きっきりになって、日本とまったく関係なくその土地や組織で成果をあげる人ほど、ある意味、日本人を勇気づける人はいない。いや、日本人を勇気づけるのでなく、規制の枠と闘っている人を勇気づけるのかもしれない。この二つはえらい違いだ。いずれにしろ、西水さんのような人の存在を知って凹む人はめったにいない。 その西水さんの記事の2回目、進路