●『ユリ熊嵐』第一話。快調な滑り出しという感じ。とても楽しい。 「ピングドラム」では、まずなんといっても「せいぞーんせんりゃくー」で、がっつりと人の心を掴んだのだけど、「ユリ熊嵐」では、そのような一発掴みはなくて、そのかわりたくさんのギミックがいろいろ散らしてある感じ(「デリシャスメル」は、それだけでは「生存戦略」ほどのインパクトはないが――せいぜい「ファビュラスマックス」くらいの感じ――様々な合わせ技との関係で生きる感じ)。 ただ、主題的には「ピングドラム」や「ウテナ」に比べると単調になるかもしれないという危険を、ちょっと感じる(まあ、でもまだ一話目だから…)。「透明な嵐」というのは要するに集団のなかで発生する同調圧力的なイジメ的なものの力で、それに対し「好きをあきらめない」というのは、群れの空気に埋没しない個と個の関係を貫くということで、そこに「承認(超越的な裁き)」とか「熊」とかいう