台風が上陸すると、ネットでは「ちょっと田んぼ見てくる」という言葉がしばしばネタとして登場します。 稲作では一般的に、用水路に水門となる板などを挟み、田んぼの水量を調節します。ところが大雨が続くと水門から水が溢れだし稲が水浸しになってしまったり、近くにあるよその田んぼにも被害が出かねません。だから危険だと分かっていても、農家の高齢者は田んぼを見に行ってしまうのです。 しかしもし、わざわざ見に行かずとも、田んぼの水位が把握できるとしたら? 台風時はもちろん、普段の業務でも1日何回も見回りする回数が半分に減り、農家の負担が軽減される可能性があるとしたら? 熊本県阿蘇市の内田農場は、そういった農業の課題をApple WatchやiPhoneなどのテクノロジーを使って解決しようとしています。“農業とIT”の現場を取材してきました。 取引先の要望に応じ、15品種の米を受注生産する内田農場 今年20周年