HOMEへ戻る 「高畑勲論」トップへ戻る 『かぐや姫の物語』作品論 「弁証法の人」高畑勲監督の到達点 文責/叶 精二 ※以下の文章は「キネマ旬報セレクション 高畑勲」(2013年11月26日/キネマ旬報社発行)に掲載されたものです。 高畑勲は「弁証法の人」である。一つの成果を得ると、必ずそれを否定し、より高次の段階へと歩を進めて来た。 『かぐや姫の物語』(二〇一三年)は、その今日的到達点である。 ●セル・アニメーションの可能性の模索 「ぼくはアニメとはいわずにアニメーション、と必ずションをつけていうんですが、最近はみんな“アニメ”になっちゃった(中略)何でも作れると思われるようになって、アニメーションとは何かというようなことがほとんど言われなくなってしまった」 (「高畑勲インタビュー」『ぴあ 一九九四年七月十九日号』ぴあ社) 「アニメーションの歴史が、映画より古いことはよく知られている。し