刊行にあたって 今、やっておかなければならないことがある。今、やっておかなければ、永久に失われてしまうことがある。日本人がつくり上げた食事。それは、今、それを記録しておかなければ、永久に失われてしまう。 建築物・構造物・書画・骨董・民具等、形あるものは残る。しかし、日本人の伝統的食事の総体は、それをつくった人々がいなくなれば永久に失われる。 大正から昭和初期にかけて、食事をつくった人人、今、80歳前後の主婦達は、日本の食事を伝承した最後の人々であろう。この人々が、この世から去れば、その人々とともに日本の食事は永久に失われてしまう。 この主婦たちの食事つくりは、地域地域の自然の生み出した四季折々の素材を、調理し、加工し、貯蔵したものであった。 それは北と南では違い、西と東では違っていた。地域ごとに異なる自然の個性が、そこに住む人間の手によって表現された食事であった。当時の食事には、今日、われ
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