2017年にトヨタ自動車の男性社員(当時28歳)が自殺したのは、上司のパワーハラスメントで発症した適応障害が原因だったとして、豊田労働基準監督署(愛知県豊田市)が労災認定していたことが遺族側代理人の弁護士らへの取材でわかった。遺族側は「トヨタ側の対応が不十分だった」として損害賠償を求めることも検討している。 認定は今年9月11日付。遺族側代理人の立野嘉英弁護士(大阪弁護士会)によると、男性は東大大学院修士課程修了後の15年4月に入社。16年3月に車両設計を担当する部署に配属されたが、間もなく直属の上司から「死んだ方がいい」「なめてんのか、やる気ないの」などと暴言を浴びせられたり、地方の大学を卒業して東大大学院に進んだことを「学歴ロンダリングだ」と侮辱されたりして適応障害を発症し、16年7月から3か月間休職した。 10月に復職した後は社内の別のグループに異動したが、席はこの上司の近くにされ、