活字時代から「活字の一回使用」や「オリジナル書体の開発」といった画期的な取り組みで、並外れた文字へのこだわりと伝統を誇る株式会社精興社。書籍印刷をベースとする同社は2005年に電算写植からDTPへと移行するが、そこで課題となったのが、活字〜CTS時代にかけて確立した複雑な数式組版をいかに再現するか。デジタルの世界でそれを実現したのがモリサワの組版ソリューション「MC-B2」である。 独自の細身の明朝体開発と活字の一回使用 同社の歴史は1913年(大正2年)に遡る。東京・神田を創業の地として産声をあげた「東京活版所」がその原点だ。 文字通り、活版による書籍印刷を生業として事業を拡大する中、その大きな事業展開の流れを決定づけたのが、時を同じくして誕生した岩波書店の創業者・岩波茂雄氏との出会いである。岩波氏からその高い印刷技術を認められたことで、創業間もなく取り引きがはじまり、以来、その印刷技術
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