『トンデモ一行知識の世界』 P.148 歴史上、もっとも拷問方法を発達させた国はチベットだったと言われている。 この国じゃラマ教(チベット仏教)という宗教を持ち、かつてはこの教えを国の 外に出すことを禁止していた。その法律の違反者には、想像を絶するような 厳罰が課せられた。 その罪は、犯した本人ばかりでなく、家族全員がつぐなわされる。久生十蘭 の小説に、その処刑・拷問シーンが描かれているが、それによると、まず、 親子、または兄弟同士が向かい合って座らせられ、髪を刈られて坊主あたま にされる。次に、ふたりに小さいペンチのようなものが手渡され、それで、 お互いに、お互いの歯を、一本残らず抜き取るように命令される。 最初は涙を流して、なかなかできずにいる親子や兄弟も、一本抜き、二本 抜いているうちに興奮し、最後には仇同士のように、口を血だらけにして相手 の歯を抜こうとして