2005年12月のジェイコム株の誤発注に伴う巨額の損失を巡り、東京証券取引所の売買システムの不具合が原因だとして、みずほ証券が東証に約415億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、東京地裁であった。 松井英隆裁判長は「東証には人的な対応を含め、市場システムの提供について注意義務違反があった」と述べて東証側の重過失を認定し、約107億円の支払いを命じた。 多額の損害賠償は、東証の経営面に悪影響を与える。東証の09年3月期決算は、税引き後利益が36億円の赤字だったが、今回の判決を受け、賠償額の引き当てをすれば、10年3月期も税引き後赤字となる可能性が高い。東証は10年度以降のできるだけ早い時期に自身の株式上場を目指しているが、2期連続赤字に陥れば、早期上場の実現が困難になるのは確実だ。 誤発注が起きたのは、東証マザーズに総合人材サービス業ジェイコムが上場した05年12月8日。顧客から売り注文を