福岡市早良区の県立修猷館(しゅうゆうかん)高の2年生約350人が5~8日、東日本大震災で被災した宮城県を修学旅行で訪れた。 「被災地の現状を直接見ることも大切」と学校側が行き先を長野県から変更。当初は一部の生徒や保護者から反発もあったが、実際に現地を訪れたことで、「将来の目標が見えてきた」などと大きな収穫を得て帰った生徒もいた。 「なぜ生徒の意見を聞かずに決めるのか」 「余震や東京電力福島第一原発事故に伴う放射線被曝(ひばく)の恐れがある」 中嶋利昭校長(60)が計画変更を伝えた昨年6月、保護者や生徒から反対の意見が相次いだ。もとは同時期に長野県でスキーを行う計画だった。 それでも中嶋校長は「行くことで生徒は様々なことを感じ、被災地の支援にもなる」と方針を貫いた。ただ、宿舎を内陸の宮城県蔵王町のホテルに統一し、スキーだけを体験するコースも準備。生々しい被災地を訪れたくない生徒に配慮して選択