財務省が28日発表した2010年度末の「国の財務書類」によると、一般会計と特別会計を合わせた国の財政状況は、資産が前年度末比21・9兆円減の625・1兆円だったのに対し、財源不足を補う国債発行により負債は23・3兆円増の1042・9兆円となった。 負債が資産を上回る「債務超過額」は、45・2兆円拡大し417・8兆円と、過去最悪を更新した。 10年度は、税収などの収入が3・5兆円増え、11年ぶりに新規国債を発行しないで補正予算を編成した。ただ、当初予算では新たな国債を発行しているため公債残高は38・1兆円増えて758・7兆円と過去最悪になった。 国の財務書類は、現金のやりとりを重視する国の通常の会計とは違い、企業会計に準じて収益や費用などを発生した時点で計上する「発生主義」の要素を取り入れている。昨年3月に発生した東日本大震災で、国の資産も大きく失われたが、現時点では算定するのが困難だとして