不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 「温め」というのは単に温めて保っておくということではなく、ただ知っているだけというのでもないそうです。熟知し、理解し、心得ていることを指すのです。 古典を学び、歴史を学び、深く理解していることだと、田中優子さんは『江戸を歩く』に書いています。 「しかしそれだけでは人を指導することはできない」とも田中さんはいいます。「以て師為るべし」となるためには「故きを温め」るだけでは足りないのです。 今のことをアクチュアルに骨身にしみてわかっていることが必要なのだ。これは学問の神髄である。「学びて思はざれば即ち罔(くら)し、思ひて学ばざれば即ち殆(あやう)し」-これも神髄である。知識をため込んでいても思想がなければ何にもならない、といっているのだ。しかし逆に、義憤にかられようと世の矛盾に