日本の産業集積で勝利の方程式は“強い素材と部材を使ったデバイス”ですが、今まさにテイクオフしつつあるのがSiC(炭化ケイ素)ウエハーとSiCを使ったSiCパワーデバイスです。 前頁158で新日鉄子会社の新日鉄マテリアルズがパワーデバイス向けのSiC(炭化ケイ素)ウエハーへの参入発表を記載しました。SiCウエハーは従来のシリコンウエハーよりも高価なので、導入時のイニシャルコストが高くなります。反面で、性能がとても良いことからランニングコストの削減を期待できます。イニシャルコストを長期使用によるランニングコストの削減累積で、トータルコストを下げることができる製品分野ではとても有望です。イニシャルコストをランニングコストで取り返すためには、使用期間が長いほど有利ですから、20年以上使う太陽光発電システムや電鉄向け、10年程度使う産業機械や自動車が有望市場です。半導体産業新聞2009年5月27日付