夜空を明るく照らす月は、照明がない時代や地域において貴重な存在である。いつでも満月が夜を照らしてくれれば、夜中の活動もずっと楽になるだろう。 ロシアが本気で空に第二の月を作り出すZnamya(ズナーミャ)計画を推進していたことはあまり知られていない。この一見荒唐無稽に見えるZnamya計画においては、地球周回軌道上に巨大な反射鏡を投入し太陽光を反射することによって、シベリアなどの高緯度地域から闇夜を無くすことを目的としていた。 1992年最初の実験機であるZnamya-2がProgress-TM-15によって高度350,000mの軌道に投入され、1993年2月4日に直径20mに及ぶ薄膜反射鏡の宇宙空間内における展開が成功した。第二の月が天空に誕生した瞬間であり、これは同時に人類史上初の太陽帆の実現でもあった。この第二の月による最初の照射は西ヨーロッパの夜明け前の早朝に行われた。直径5kmほ