(2010年8月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 世界経済の貿易不均衡という黒雲が再び姿を現しつつある。国家による経済への介入も、1970年代の流行を思わせる高まりを見せている。そして金融サービス業界は世界中で忌み嫌われている。 残念ながら、重商主義が再び台頭する時期がやって来たようだ。輸出を経済成長の最大の原動力に位置づける政策は、工業化が進行中の新興市場国でのみ取られるのが普通だが、最近では米国や欧州にも広まりつつある。もし各国の政府が注意を怠れば、製品を輸出する企業のロビー活動が国の政策を左右する時代に逆戻りしてしまうだろう。それは賢明なことではない。 ドイツや日本ばかりでなく、米国や英国も輸出に力 ドイツや日本といった国々は長らく輸出に執着してきた。日本の新首相である菅直人氏は、外国での売り上げ増加を目指す日本企業への政府の積極的な支援について好意的に語っている。 ところが