日本からおよそ5000キロの距離にある氷の世界、北極。「とてつもなく遠い場所」「年中氷に覆われた地域」「ホッキョクグマのいるところ」――みなさんはどんなイメージを持っているでしょうか。 私たちにとって必ずしもなじみが深いとは言えない北極ですが、そんな氷の世界を“職場”にする人たちがいます。海洋研究開発機構(JAMSTEC)北極環境変動総合研究センターの研究者たちです。「北極を知れば、地球環境の“これから”がわかるかも」と語る、同センターの菊地隆センター長に、わたしたちの知らない北極研究のリアルから、温暖化との関連、さらには北極の氷がとけたら日本に何が起きるのかという難しい疑問まで、たっぷりとお話を伺いました。本稿では菊地さんが講演でよく話すという「北極クイズ」に焦点を当ててみましょう。皆さんは答えられるでしょうか。 (取材・文:岡田仁志) 北極点で『南に進め』と言われたら? 菊地さん(以下