見て頂ければ分かる通り、ピリジン誘導体(左)はすべて平面性が高く、3次元方向への構造多様性はありません。一方、ピペリジン誘導体(右)は、3次元方向への構造多様性が大きく広がっていることがわかります。つまり、化合物に3次元的に構造の広がりを持たせた方が、化合物が薬になる確率が高くなることを本論文は伝えています。平面性が高い化合物は、結晶性が良すぎたり、脂溶性があがったり、溶解性が低かったりと色々と化合物を展開する上で苦労します。平面性に関しては「芳香環の数」という観点から、創薬上問題となる様々なパラメーターに関する報告が同時期になされており、医薬骨格中の芳香環の数が多くなることに警鐘が鳴らされています(Fig3) 3。 しかし、ぺったんこ系の化合物でも薬になったものもあり、この知見にも例外があることを忘れてはなりません。 さらに平面的構造式のみでは不十分とされる近年の例として、化合物のsha