チリ南部で先ごろ発見された恐竜は、Tレックスなどの肉食性恐竜の親戚でありながら、驚くべきことに草食性だった。(Illustration by Gabriel Lío) 「獣脚類」という言葉を知らなくても、この仲間に属するヴェロキラプトルやティラノサウルス・レックス(Tレックス)といった恐ろしげな恐竜の名前は聞いたことがあるだろう。地球の歴史上、最も恐ろしい捕食者だが、最近、驚くべき特徴を持つ獣脚類の仲間が南米で発見された。異なる数種類の恐竜を混ぜあわせたような外観をしている上、なんと草食性なのだ。 この恐竜を発見したチリとアルゼンチンの研究者チームが、4月27日付のネイチャー誌に論文を発表した。「チリサウルス・ディエゴスアレシ(Chilesaurus diegosuarezi)」 という学名は、チリ南部のトキ累層(Toqui Formation)で最初にこの化石を発見した地質学者の当時7歳