ポイント 肥満によって自己免疫疾患を含む炎症性疾患の発症リスクが高まると言われていたが、そのメカニズムは不明であった。 肥満患者に高発現する脂肪酸合成酵素「ACC1」が自己免疫疾患を悪化させる分子メカニズムを解明しました。 ACC1を制御すれば、肥満によって引き起こされる自己免疫性炎症疾患の治療への道が開けると期待される。 JST 戦略的創造研究推進事業において、千葉大学 医学研究院の遠藤 裕介 特任講師、中山 俊憲 教授らのグループは、同大学医学研究院の細胞治療内科学 横手 幸太郎 教授のグループと共同で、肥満患者に高発現している脂肪酸合成酵素「ACC1」が自己免疫疾患注1)を引き起こす作用があることを発見しました。 食習慣、生活習慣の変化や運動不足に伴い世界規模で“肥満”患者が増加しています。肥満、特に内臓脂肪蓄積を伴う肥満症注2)は、糖尿病、脂質異常症、高血圧などのいわゆる生活習慣病