石巻・網地島地盤沈下、波が浸食 民家に迫る崖 地盤沈下の影響で、波で崖が浸食され、住宅に危険が迫っている=9日、石巻市長渡浜 東日本大震災による死傷者がゼロだった宮城県石巻市の離島・網地島(約480人)で、日に日に自宅に迫る崖に不安を募らせる住民がいる。外洋に面した同市長渡浜の漁業阿部富昭さん(60)。3月11日の津波に加え、地形の変化で、崖が波に浸食されるようになったとみられる。県は防潮堤の建設を検討しているが、崖は住宅まで1~2メートルにまで迫っており、阿部さんは「このままでは家が海に落ちる」と、早急な対策を訴えている。 ドスン、ドスン―。妻(60)と2人暮らしの阿部さんは毎夜、高さ約10メートルの崖に波が当たり、土砂が崩れる音に悩まされる。「地響きがする。朝起きて、家が落ちていないと安心する毎日」と嘆く。 阿部さんによると、震災前は崖と自宅の距離は10メートルほどあった。しかし、