さて洋泉社の「実録殺人事件がわかる本」。どうぞよろしく。私も読んだ。 町山さん、ヨシキさん、柳下さんのいわゆる秘宝方面の職人的なうまさや新宿ロフトプラスワンの名物店員多田さんの歌舞伎町についてのコラムが光っていたが、一番目を引いたのはルポライターの田上順唯さんが手がけた北関東幼女連続殺人事件についてのルポだった。これは本当に不気味。 北関東幼女連続殺人事件は、同じく幼女を連続して殺害した宮崎勤とくらべるとちょっと目立たないが、充分におそろしい。なにしろ犯人が捕まっていないのだから。またおそろしいのは犯人だけではない。事件現場である北関東の土地の事情もあいまって、底の深い闇を醸成している。 この事件は79年、栃木県足利市に5歳の幼女の死体が渡良瀬川の河川敷でリュックサックにつめられた状態で発見されたところから始まる。以来、84年にパチンコ店で女児が行方不明、86年にまた女児の誘拐殺人が発生、