東芝が半導体事業を分社して設立する新会社について中国系のファンドや企業からの出資提案を断っていることが16日、分かった。半導体の先端技術が中国に流出し、安全保障上の懸念が生じることを懸念する政府に配慮する。一方、官民ファンドの産業革新機構が新会社に出資する案も浮上している。 東芝は新会社の株式の完全売却も視野に今月末までに出資を募る入札の手続きを始めている。中国政府系の半導体大手、紫光集団も入札に意欲を示したようだが、東芝幹部は「中国系はお断りしている」と話す。 現段階で入札に関心を示すのは半導体大手やファンドなど海外の10社程度とみられ日本勢は見当たらない。国内に技術を残すため、革新機構がファンドや企業と組んで出資する案も浮上するが、官民ファンドによる救済色の強い出資には慎重な意見もある。