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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (4)

  • 現在に至る種を広範囲にわたってまきつづけてきた悪魔的な天才──『未来から来た男 ジョン・フォン・ノイマン』 - 基本読書

    未来から来た男 ジョン・フォン・ノイマン みすず書房Amazonこの『未来から来た男 ジョン・フォン・ノイマン』はその名の通りフォン・ノイマンの伝記である。1903年生まれの1957年没。数学からはじまって、物理学、計算機科学、ゲーム理論など幅広い分野で革新的な成果をあげ、史上最高の天才など、彼を称える言葉に際限はない。彼と同時代を生きた人物に、クルト・ゲーデルやアルベルト・アインシュタインなどそうそうたる人物が揃っているが、三人すべてを知る人物も、フォン・ノイマンが飛び抜けて鋭い知性の持ち主だと思っていたと語る。 実際、それが誇張表現ではないぐらい彼が一人で成し遂げたことは凄まじかった。その天才性は幼少期から発揮されていて、古代ギリシャ語やラテン語をマスターし、母語のハンガリー語だけでなくフランス語、ドイツ語英語も話した。45巻の世界史全集を読んで、それから何十年も経った後でも第一章の

    現在に至る種を広範囲にわたってまきつづけてきた悪魔的な天才──『未来から来た男 ジョン・フォン・ノイマン』 - 基本読書
    beeske
    beeske 2023/10/06
  • 『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本を刊行します。 - 基本読書

    「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門 作者:冬木 糸一ダイヤモンド社Amazonこのブログ「基読書」を書いている冬木糸一です。3月1日に、『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』というをダイヤモンド社から刊行することになったので、その告知文を下記につらつらと書いていきます。このブログの読者にはまず楽しんでもらえる内容なので、ぜひ告知分だけでも読んでいってください。 の外観。440ページ超えなのでけっこう分厚い SF超入門とは何なのか 「SF超入門」と銘打っているわけなので、当然SFに入門するためのになる。歴史や作家など入門といっても無数の入り口があるわけだけれども、今回はいわゆるSF小説のガイド的な内容になっている。ただ、「SF初心者はこれを読め!」といって初心者向けを語る、ガイド記事を拡張した内容とは異なるアプローチでを選んでいる。 たとえば

    『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本を刊行します。 - 基本読書
    beeske
    beeske 2023/02/19
  • この10年で最高のロシアSFと言われる傑作終末SF──『サハリン島』 - 基本読書

    サハリン島 作者:エドゥアルド・ヴェルキン発売日: 2020/12/22メディア: 単行このエドゥアルド・ヴェルキン『サハリン島』は、ロシアのメディアで、この10年で最高のロシアSFと評されているSF長篇である。「この10年で最高」というのは、気軽に使うにはリスキィな褒め言葉だ。何しろ、これでつまらなかったら他のこの期間に発表されたロシアSFはいったいなんなんだ、という話になってしまう。 なので、話半分というか……、勢い余って言い過ぎちゃった人がどっかのメディアにいたのかな? ぐらいの心持ちで読み始めてみたのだけれども、いやはや……。これはたしかに、この10年で最高のロシアSFかどうかはわからないがめちゃくちゃおもしろい! 表面的な題材だけ抜き出してみれば、ゾンビ的な感染症に第三次世界大戦による終末世界化、変容してしまった世界を二人の男女が旅をするという、ありきたりなポストアポカリプス物

    この10年で最高のロシアSFと言われる傑作終末SF──『サハリン島』 - 基本読書
  • 終末の予感だけがただひたすらに蔓延する小説──『穴の町』 - 基本読書

    穴の町 作者: ショーン・プレスコット,北田絵里子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/07/04メディア: 単行この商品を含むブログを見る書『穴の町』はオーストラリアの作家ショーン・プレスコットの長篇小説のデビュー作である。「世界文学」としか言いようがない作なのだが、僕はそうした前情報を一切知らずに「なんとなくおもしろそうだな」ぐらいで買って読み始めた。 そしたらどうだ! あまりにも巧みな筆致──カフカやら村上春樹やらいろいろな作家の要素を思い起こさせるのだが、同時にその組み合わせや全体のトーン、突拍子もない話の展開、会話のリズムなどは完全にオリジナルな自分の言葉であり、まずその語り口にぞっこん惚れ込んでしまった。不条理小説であり、あるいは終末SF的であり、ファンタジィというか幻想小説的であり、理屈が通ったと思ったら通らず、異常に人々が気づいたと思ったら気づいてくれず、と

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