財務省の官僚はプライマリー・バランスが赤字ですから一刻も早くこれを解消したい。だから少しでも景気が良くなったら、あるいは企業収益が増えたら、「消費税の増税をやりましょう」と口説きます。日本経済の分岐点に幾度も立ち会った経済記者が著書『「経済成長」とは何か?日本人の給料が25年上がらない理由』(ワニブックスPLUS新書)で解説します。 間違った経済観が日本を追い込んでいる ■日本の間違い――消費税の増税と国債償還 先に「グローバルに開放された経済では、輸出が増えれば国内の設備投資が増え、それに伴い雇用も創出される。その波及効果で国内市場が成長していくことになる。つまり内需は対外貿易抜きには拡大されない」と一般論を述べました。 じつはここのところで日本が変調を来たしている点があります。 例えば円安導入して輸出が増えたとします。企業収益は伸びます。現下の円の相場水準であれば輸出はもっと伸びる。さ