東京の夏が100年前と様変わりしたことが、気温のデータの「見える化」で示された。東京で観測された1900年以降のデータを暑い日ほど濃い赤に、涼しい日ほど濃い青になるよう色分けすると、近年になるほど、夏がより暑く、より長くなった傾向が、はっきりと浮かんだ。 特に今年、2023年は9月末まで平均気温の高い日が続き、異例の厳しさだった。健康や命に関わる暑さへの対策は急務となっている。(デジタル編集部・福岡範行)
東京の夏が100年前と様変わりしたことが、気温のデータの「見える化」で示された。東京で観測された1900年以降のデータを暑い日ほど濃い赤に、涼しい日ほど濃い青になるよう色分けすると、近年になるほど、夏がより暑く、より長くなった傾向が、はっきりと浮かんだ。 特に今年、2023年は9月末まで平均気温の高い日が続き、異例の厳しさだった。健康や命に関わる暑さへの対策は急務となっている。(デジタル編集部・福岡範行)
世界で最も身体拘束が行われている日本の精神科病院。厚生労働省では現在、拘束要件の見直しが不透明なまま進むが、精神科病院を束ねるドン・日本精神科病院協会(日精協)の山崎学会長(82)はどうとらえているのか。「こちら特報部」の単独インタビューに応じた山崎氏の言葉を詳報する。(木原育子) やまざき・まなぶ 2010年から日本精神科病院協会会長。22年5月の厚労省の私的検討会に突如、参考人として出席し、議論の風向きを変えるなど影響力が大きい。18年には協会の機関誌に「(患者への対応のため)精神科医にも拳銃を持たせてくれ」という部下の医師の発言を引用し、物議を醸した。安倍晋三元首相と親しかったことでも知られる。日本大医学部卒。
大規模な金融緩和を中心とした安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の指南役として、当時内閣官房参与を務めた浜田宏一米エール大学名誉教授(87)は本紙のインタビューで、10年に及ぶ政策の効果について「賃金が上がらなかったのは予想外。私は上がると漠然と思っていたし、安倍首相(当時)も同じだと思う」と証言した。大企業の収益改善を賃上げへとつなげる「トリクルダウン」を起こせなかったことを認めた。 (渥美龍太、原田晋也、畑間香織)
東京都杉並区長選は20日開票され、無所属新人の公共政策研究者、岸本聡子氏(47)=立民、共産、れいわ、社民推薦=が、4選を目指した無所属現職の田中良氏(61)ら2人を破り、初当選した。投票は19日に行われ、投票率は37.52%(前回32.02%)だった。 岸本氏は、東京23区では、2002年から14年まで3期務めた新宿区の中山弘子元区長、07年に初当選し、現在4期目の足立区の近藤弥生区長に次ぐ3人目の女性区長となる。 市民団体が擁立し、国政野党が支援した岸本氏は、区が進める道路拡幅や、児童館廃止計画の見直しを訴えた。現職の田中氏は、緊急事態宣言下の昨年7月に群馬県のゴルフ場に出張していた問題が批判され、支持離れを招いた。
新型コロナウイルスワクチンの1回目を、国民の約半数が打ち終えた。データが蓄積され、米ファイザー製、米モデルナ製それぞれの特徴が見えてきた。厚生労働省の研究では、モデルナ接種後に発熱した人の割合はファイザー接種後の2~3倍に上ると判明。諸外国より突出して多く、日本特有の現象だ。2回のワクチン接種を完了しても陽性になる「ブレークスルー(突破)感染」の危険性も残る。(沢田千秋) 「頑強な自衛隊の方でさえ、4割が病休したのはちょっとショック」。ワクチン副反応の調査を担う厚労省研究班の代表、伊藤澄信・順天堂大客員教授は、副反応検討部会で率直にそう述べた。モデルナの調査は自衛官を中心に行った。2回接種後、4割が「仕事にならない状況」だったという。
無断で外出したが「抜け出してはいない」、食品ロスは生じているが、「廃棄ではない」―。東京五輪で運営の不備を追求する報道陣に対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が理解しづらい解釈や定義を用いて反論を繰り返している。インターネットでは論点をずらして逃げる、安倍晋三前首相の「ご飯論法」と重ね合わせる声も。批判を正面から受け止めず、自己防衛に終始する姿勢に国民の不安や疑問は置いてきぼりだ。(原田遼) 組織委員会は大会中、毎日午前11時に定例会見を実施し、広報担当の高谷正哲スポークスパーソンが報道陣の質問に答える。しかし、新型コロナウイルス対策や運営の不備についての質問には「現在、把握できていない」と回答を保留するケースも目立つ。その場合、数時間後に各社の担当者に高谷氏からメールで回答などが配信されるが、質問に答えていないと報道陣に不評だ。
みずほフィナンシャルグループ(FG)は15日、みずほ銀行のシステム障害の責任を明確にするため、坂井辰史社長の役員報酬の減額などの処分を発表した。 のべ700人超の役職員への聞き取りなどをした第三者委員会の報告書からは、みずほ銀行の理念である「一人ひとりがお客さま起点を徹底し、自ら考え行動する」とは真逆の顧客軽視の姿勢が浮かぶ。 「ATMのエラー発生が多発しています」。報告書によると、2月28日午前10時15分、業務委託先の管理センターからみずほ銀行の6つ以上の部署へ430件のエラーを検知したとの緊急メールが送られたが、対応に動く担当者はいなかった。通帳やキャッシュカードがATMに取り込まれるトラブルは最終的に5244件発生したが、それを想定できなかった。 複数の部署の担当者は午前11時12分にはATM前で顧客が立ち往生していることをSNS上の情報で把握。休日対応で人員の限られた問い合わせ電
東京五輪聖火リレーで目立つスポンサー車両を映し、ツイッターで約90万回再生された動画を3月28日、私は削除した。大音量の音楽やDJ(ディスクジョッキー)による異様な演出を問題視した動画で、削除という判断には「おかしい」という抗議の声もいただいた。なぜ削除したのか。背景にはメディアの動画公開を撮影から「72時間」とし、公道で撮影した動画すら規制する国際オリンピック委員会(IOC)の独自ルールがあった。(原田遼)
こんばんは。ありがとうございます。ジョン・ルイス下院議員は亡くなる前に、こう書きました。「民主主義は状態ではなく行動である」と。その意味するところは、アメリカの民主主義は決して保証されていないということです。私たちがそのために闘い、守る意志があってこそ強いものになります。当然のものとして受け止めてはなりません。
安倍晋三首相が15日の全国戦没者追悼式で述べた式辞には「歴史と向き合う」という趣旨の言葉がなかった。一方、首相が掲げる「積極的平和主義」が初登場。日本の加害責任には今年も言及せず、過去を顧みない姿勢が一段と鮮明になった。 安倍首相は第2次安倍政権発足後の2013~19年の式辞で、毎年「歴史と謙虚に向き合い」「歴史の教訓を胸に刻み」などと述べていたが、消えたのは初めてだ。6年連続で「戦争の惨禍を繰り返さない」と誓ったが、歴代首相が述べてきたアジア諸国への加害責任や反省は8年間、一貫して言及しなかった。 今年は「積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えながら、世界が直面しているさまざまな課題の解決にこれまで以上に役割を果たす決意だ」と宣言。こだわりの外交・安全保障指針を8年目で初めて盛り込み、集団的自衛権の行使容認などを推し進めてきた“安倍カラー”をにじませた。
政府と民間が資金を出して運営する官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」が出資した事業のうち、少なくとも七件が機構の株主企業六社に関連していたことが本紙の取材で分かった。公的資金が株主企業に還流された形で、機構の中立性が揺らぐ可能性がある。機構の投資先を決める内部組織に投資先企業の役員がいたことも判明。識者は、公的投資の名目で私企業の利益を図る「利益相反」の疑いを指摘する。 (大野暢子) 本紙は、機構が二〇一四~一九年に公表した出資三十二件の内容を事業報告などから調べ、株主六社に関係する出資を計七件確認した。総額は百九十六億円。出資全体の三割にあたる。 株主の出資額の二十倍超を支援した例もある。機構は一四年九月、中国・寧波への商業施設出店事業に百十億円の出資を決めた。この事業は、機構に五億円を出資する株主の「エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング」(大阪市)が中心を担っ
原子力委員会が原発推進側を集め昨年十一月に開いた秘密勉強会の場で、電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言していた。国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきたが、虚偽の説明だったことになる。 発言者は電事連の原子力部長。内閣府の検証チームが集めた議事資料などによると、昨年十一月二十四日の会合で、原子力委の鈴木達治郎委員長代理が「電力会社としては、コストが高くても再処理する理由があるのか。とりあえずは(使用済み核燃料を)処理できるということがメリットか」と部長に質問した。
米国主導のイラク戦争で空輸を担うため、二〇〇六年に中東のクウェートへ派遣された航空自衛隊の三等空曹の男性が現地で米軍のバスにはねられ、後遺症の残る大けがをしていたことが分かった。男性は来月、空自が「事故隠し」に走り、まともな治療を受けられなかったとして国に損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こす。イラク特措法で派遣された自衛官が国を訴えるのは初めて。 男性は一一年に依願退職した新潟市中央区関屋、無職池田頼将さん(40)。顔や腕に障害が残り、身体障害者四級に認定された。 池田さんは〇六年四月、通信士として愛知県の小牧基地からクウェートのアリ・アルサレム空軍基地に派遣された。事故は七月四日に米軍主催の長距離走大会で発生。先頭を走っていた池田さんは軍事関連企業の米国人女性が運転する米軍の大型バスに後ろからはねられ、左半身を強打して意識を失った。 池田さんによると、空自衛生隊には治療設備がなく、首
「節電で月の電気代は五百円程度」という主婦の投稿が、五月末の本紙発言欄に載った。どうすればそんな生活ができるのか。東京郊外に住む読者を訪ね、さまざまな工夫を重ねた暮らしぶりを見せてもらった。 (竹上順子) 東京駅から電車を乗り継いで約一時間半の東京都あきる野市。JR武蔵五日市駅から徒歩十分の住宅地に「発想変え無理せず節電」の投稿を寄せた主婦、東奏子(あずまかなこ)さん(32)の一家が暮らす築五十年の木造二階建てがあった。近くには秋川が流れ、河原でバーベキューや川遊びが楽しめる。 見せてもらった今年四月の領収金額は、基本料金二百七十三円込みで五百十二円とあった。東京電力との契約アンペアは、最も少ない十アンペアだ。 会社員の夫(37)と長女(5つ)、長男(2つ)の四人暮らし。以前から節電に取り組み、東日本大震災後の昨年五月には、読者の工夫を紹介する本紙暮らし面にも登場してくれた。長男が布おむつ
東京電力が、保養所や接待施設の維持管理費、年8・5%もの利子が付く財形貯蓄などさまざまな社員優遇に必要な費用を、電気料金を決める際の原価に算入し、電気料金で回収していたことが本紙の調査で分かった。こうした事実を東電も認めている。東電の手厚い福利厚生は、電力会社を選ぶことができない消費者の負担によって維持されてきたことになる。 電力料金は「総括原価方式」と呼ばれる方法で算出される。施設の修繕費や燃料費など発電に必要な費用を積み上げ、電力会社の利益を上乗せし、その総額を電力料金で回収する仕組み。 ただ、費用に何を計上するかは電力会社の判断に任されている面が強い。既に、官庁OBを受け入れている財団法人への拠出金や広告宣伝費など発電とは関係のない費用に入れられていたことが判明している。経済産業省の有識者会議(座長・安念潤司中央大教授)は今後、これらの費用は計上を認めない考えを示し、同省もその考えに
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