(前回から読む) 柴田:もちろん、先ほどお話ししたように、デザイナーの声の小ささは大いに問題です。だけど最終的には、デザイナーを使う日本企業の経営が、デザインを悪くして、結果として商品の魅力も薄めてしまっている、というケースは多いですね。 川島:ひとつは目先の新しさとデザインを勘違いしている経営者が多いんじゃないでしょうか? 車の例でいうと、日本の自動車ってラインナップがとっても多いうえに、モデルチェンジが4年に1回もある。しかも、モデルチェンジするたびに、同じ車種でもデザインが変わっちゃうから、車種の名前をいつまでたっても覚えられない。あれ、なぜですか? 柴田:たしかにさきほど名前の出たフェラーリにしてもBMWにしてもアウディにしても、あるいはフォルクスワーゲンやメルセデスベンツにしても、どこの車か誰が見ても一目でわかるほどキャラクターがはっきりしてますね。 川島:なぜ、日本のメーカーは