『fault - milestone one』(ディレクターズ・カット版) 「これは私達の現実と陸続きの物語ではない」 開始早々、そう認識せざるをえない固有語による固有語のオンパレードによって『fault』は幕を開けた。「クラフト」「カラード・マナ」「風言語」……登場人物たちが口にする言葉の数々は文脈で多少わかるものの、しかし明確な意味は把握できないでいた。 そしてそれらは詳細に説明することなく「クラフト」を前提とした「バトルクラフト」、「マナクラフト」を前提とした「通信ライン」という言葉が撒き散らされていくのである。 また、人差し指・中指・薬指を突き立て小指と親指で握手する「ビルセリオ」という風習があること、サンアリズタ語(仮想言語)でビルセリオは「幸運を」なる意味をもつこと、「セキュール」と呼ばれるルゼンハイド国では誰もが知っている欲の化身の名称を皮肉に使ったりと―――明らかにそこは私