「いったん立ち止まる」。10月30日の三菱重工業の中期経営計画説明会。社長の泉沢清次は入念に準備した言葉を使い、国産旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の事業化を凍結する方針を示した。官民肝煎りで12年にわたって進めてきた「日の丸ジェット」が一つの区切りを迎えた瞬間だった。【関連記事】三菱ジェット、ホンダジェットと明暗分けた「鉄則」誰も責を負わない 三菱スペースジェット失敗の本質三菱重工、空回りの航空機1兆円投資 決断先送りのツケ遡ること9カ月。三菱重工社内で一つの会議がひっそりと幕を閉じた。「事業推進委員会」。泉沢や会長の宮永俊一、開発子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)の首脳らが集まり、MSJの事業進捗を月1回