世界でもトップレベルのものづくり企業が集まる東海地方の企業で、育児に積極的な男性「イクメン」を育てる取り組みがじわりと広がっている。定時退社や育児休業の推進から料理教室に至るまで。男性の所得が高く、性別分業意識も高いせいか、この地域は実はイクメン後進組。汚名返上をめざし、知恵を絞る。 本日は「育児の日」です――。トヨタ自動車の生産や販売のシステム開発を手掛けるトヨタコミュニケーションシステム(TCS、名古屋市)では、語呂合わせで決まった毎月19日、全社員に定時退社を求めるメールが送られる。 2010年から始めたイクメンを育てる取り組みのひとつ。「ノー残業デー」をもうける会社は多いが、TCSは1週間前から周知を始め、やむを得ず残業した場合は後日「ノー残業」で帰すよう上司に促す徹底ぶり。残業する社員の姿は徐々に減ってきた。 IT業界の大きな課題が、優秀な社員をいかにつなぎとめるか。離職率が2桁