緊張と興奮で今にも叫んでしまいそうだ。 なんたって、カバンの中には配当金43万円のミラクル万馬券が入っているのだから。 大阪梅田にある競馬の馬券換金所へ向かう当時17歳だった僕は完全に浮かれていた。ドラクエとソファと自転車とステーキと夢にまで見たDVDプレイヤーを買おう。いや、DVDプレイヤーは待ちきれずにさっきヨドバシカメラで買ってしまった。3万円もするスーパープレイヤーを。なぜなら、机の奥底にしまってある“蒼井そら”が今か今かと待ちわびているからだ。 そう、僕の思春期は遅かった。中学、高校とぶっちぎりの非モテライフを過ごし...というか、友達すらいなかったので“精”の目覚めが遅く、17歳で先輩から譲り受けた当時大人気AV女優“蒼井そら”のDVDが僕にとって自慰チェリー喪失作品の予定だった。ぜひ遅れてきたルーキーと呼んでいただきたい。 家にはプレイステーションがあったのでDVDを見る事は