人工知能を使い、試験で他人の答案をのぞき見するなどのカンニングを検出する技術を、京都大などのグループが開発した。これまで教員の経験に頼っていた手法を取り込み、高い精度で自動的に見つけ出せるという。 日本物理学会の月刊誌電子版で発表した。京都大の大関真之助教(システム構成論)らは、「機械学習」と呼ばれる人工知能の技術を使い、試験を受ける人の過去の成績と、試験問題の難易度、クラスメートの回答の重なり具合などを計算するプログラムを作った。カンニングの疑いが低い人を順番に除外して、疑わざるを得ない人を特定する。 30人のクラスで1割が互いに回答をのぞき見するという設定で計算したところ、カンニングした全てのペアを特定できたという。大関さんは「従来の手法は『決めつけ』の恐れがあったが、この技術では回避できる」と話している。(阿部彰芳)