年度末の引っ越し繁忙期を控え、運送業者が受注を断るケースが北海道で相次いでいる。景気回復を背景に大手企業を中心に人事異動が増え、さらに消費増税に伴う駆け込み需要で取り扱い貨物の量が増加しているが、業界は慢性的な人手不足で対応できないからだ。景気循環の一翼を担う物流業界が、安倍政権の経済政策「アベノミクス」効果による景気浮揚に悲鳴を上げている。【高橋克哉】 4月に札幌市から旭川市方面への異動が決まった高校教諭の男性(29)は内示が出た今月中旬、引っ越し業者200社以上が登録するインターネットの一括見積もりサイトに登録。だが、回答があったのは5社のみで「新学期の準備を考えて4月1日に入居したい」と希望日を伝えると、いずれも「予約が取れない」と断られた。 知人の紹介で個人経営の運送会社の軽トラック1台を押さえたが、荷物を積みきれず、レンタカーを借りて自力で運ぶことにした。教諭は「同僚も苦労し