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日本科学未来館で開催されたDCEXPOにおいて、慶應義塾大学の稲見昌彦教授による透明プリウスの展示が話題を集めました。物を見えなくする(=透けて見える)というのは古今東西の民話からSF映画などでたびたび登場する究極の技術です。日本の「隠れ蓑」からSFドラマ「スター・トレック」のクリンゴン宇宙船のクローキングデバイスまでさまざまな名称で呼ばれていますが、稲見教授は透明プリウスに用いた自身の技術を「光学迷彩」と呼んでいます。特殊な反射素材に映像を投影することで透明に見せる仕組みです。DCEXPO会場で稲見教授にインタビューに応じていただきました。 ―― 透明プリウスに使われている稲見先生の「光学迷彩」のアイデアはかなり前から発表されていますよね。 稲見教授 透明マント的なものはこれまでもさまざまなアイデアが出てきています。ただ、透明マントと言った場合、何らかの方法で光を通すという受動的な意味合
データ解析技術を用いてAIDS(エイズ)ワクチンを開発するプロジェクト「Immunity」が、いよいよ臨床試験段階に到達し、2016年の完成を目指してクラウドファンディングによって資金を募集しています。 Immunity Project https://pledge.immunityproject.org/the-free-hiv-aids-vaccine HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、病原体から人体を守る働きをする免疫細胞に感染するウイルスで、HIVに感染した結果、免疫機能が低下する免疫不全症は「エイズ(後天性免疫不全症候群)」と呼ばれ、ワクチンの開発が困難な「不治の病」として有名です。 そんなエイズを克服するべく、コンピュータを用いた「データ解析技術」によってHIVワクチンを開発するプロジェクトが「Immunity」です。 Immunity Project Crowdfunding
ほとんどの生物が死ぬ零下196度の液体窒素に入れて凍結した後でも生きているヒルを発見したと、東京海洋大の鈴木徹教授(食品冷凍学)らのチームが22日付の米科学誌電子版に発表した。このヒルは、本州の川などに生息するクサガメに寄生する体長約1センチの「ヌマエラビル」。チームが研究用に冷凍保管していたクサガメを解凍したところ、寄生していたヒルが動きだしたのをきっかけに詳しく調べた。 その結果、液体窒素に24時間漬けて体内の水分を凍らせても解凍すると生きていた。ヒルの成体だけでなく、ふ化直後の幼体や卵も生き残った。同じ実験をした他の5種類のヒルは全て死んだ。 零下90度の凍結には最長32カ月耐えることも確認。零下100度の凍結と解凍を繰り返しても、最大12回まで生き残った。どのような仕組みで凍結に耐えているかは全く不明。極低温でも死なないことが知られるクマムシは凍結から体を守る糖を体内に蓄積するが、
メスのメダカがオスに恋心を抱くスイッチとなる神経細胞を、東京大学などの研究グループが見つけました。グループは、同じような細胞を人でも探すことで、人が恋に落ちる仕組みの解明につながるのではないかと期待しています。 東京大学などの研究グループは、メダカのメスとオスを仕切りのあるケースに入れて、数時間、「お見合い」させる実験を行いました。 その結果、メスがオスを記憶し、見知らぬオスの場合と比べて、6分の1の10秒程度で、オスの求愛を受け入れるようになることが分かりました。 また、オスを記憶する過程では、脳の中にある特定の神経細胞が「恋心のスイッチ」の役割を果たしていることが分かり、この細胞を人工的にコントロールすることで、メスにオスの求愛を受け入れやすくすることにも成功したということです。 東京大学大学院の竹内秀明助教は「いつか、メダカと同じような神経機構が人でも見つかれば、人が恋に落ちる仕組み
チェコ北部ドクシ(Doksy)村そばの森で行われた、J・R・R・トールキン(J.R.R Tolkien)の古典的名作『ホビットの冒険(The Hobbit)』の戦闘場面の再現に参加するコスプレをしたファンたち(2013年5月25日撮影)。(c)AFP/MICHAL CIZEK 【12月10日 AFP】『指輪物語(Lord of the Rings)』で知られる英作家J・R・R・トールキン(J.R.R Tolkien)のファンタジー小説の舞台「中つ国(Middle-earth)」の環境を、英国の科学者らがコンピューターでシミュレーションした。 英ブリストル大学(University of Bristol)のチームが行った研究によれば「『中つ国』の気候区分は、欧州やアフリカ北部と同様だ」という。 小柄で足が毛深いキャラクター「ホビット(Hobbit)」たちが、「中つ国」の中で多くの集落を作って
[震災10年 復興の先へ] 歩み続ける 被災地農家アンケート 4割「活気なくなった」 人口減少に不安 東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故の被害を受けた岩手、宮城、福島3県の農家のうち、災害発生から10年間で「地域に活気がなくなった」と感じる人が44%に上ることが、日本農業新聞の調査で分かった。農業経営は災害発生前よりも「発展した」と実感する人が40%に上るが、地域の高齢化や人口減少に根強い不安があることが分かった。 2020年10月から21年3月に、総合・社会面で掲載した「震災10年 私のあゆみ」で取材した農家ら43人から回答を得た。県別では岩手8人、宮城17人、福島18人。 この10年で地域がどうなったかを聞くと、五つの選択肢で最も多かったのは「活気がなくなった」で44%だった。3県とも高齢化に加え、震災を機に離農したり、地域を離れたりする人が多かったことが背景にある。 震災
犬がしっぽを振って表す感情表現は、ほかの犬にも伝わっていると、イタリアの研究グループが発表し、犬どうしのコミュニケーションを知る手がかりになるのではと注目されています。 研究を発表したのは、イタリアの大学教授らで作る研究グループで、先月31日、アメリカの科学誌「カレント・バイオロジー」に論文を掲載しました。 研究グループはこれまでも犬の感情表現について研究していて、犬が飼い主を見つけたときなど、親しみを感じているときはしっぽを右に、見知らぬ犬に出会った時など、脅威を感じる時はしっぽを左に振る傾向があることを明らかにしています。 今回、この研究グループは、それぞれ右と左にしっぽを振る犬の映像をほかの犬に見せて反応を分析し、犬どうしでもこうした感情表現が伝わっているかを調べました。43匹の犬で実験を行った結果、脅威を感じてしっぽを左に振る犬の映像を見た犬は、しっぽを右に振る犬の映像を見たときに
By Erich Ferdinand 奇跡の薬として人気を博した抗うつ剤のプロザックがアメリカで1989年に発売されてからおよそ25年、2013年現在ではアメリカ人全体の約20%が医師から処方された気持ちや精神状態を変化させる作用のある薬を服用しています。選択的セロトニン再取り込み阻害薬のゾロフトやレクサプロといった薬はアメリカでよく知られていますが、毎日服用することで発生する副作用などはほとんど理解されていません。抗うつ剤や向精神薬の服用を心配する声が多数出ているにも関わらず、2010年の精神薬の売り上げは700億ドル(約6.9兆円)を記録。精神薬は消費者に受け入れられ、市場としては一見何の問題もないように見えますが、「精神薬産業は重大な危機に直面している」と、ある精神科医は警告しています。 A Dry Pipeline for Psychiatric Drugs - NYTimes.c
老化に関わる遺伝子を操作することで生物の寿命を延ばせる可能性があることを国立遺伝学研究所の研究グループが酵母菌を使った実験で突き止めました。 この研究は国立遺伝学研究所の小林武彦教授の研究グループが行ったものです。 研究グループは、生命維持に欠かせないタンパク質を作る「リボソーム」という細胞の中の器官に注目し、リボソームの遺伝子の働きを酵母菌を使った実験で詳しく調べました。 その結果、酵母菌の老化が進むと、リボソームの遺伝子の中で特定の部分の働きが不安定になることが分かりました。 そこで、老化が進んでも働きが安定するよう遺伝子操作をしたところ、酵母菌の寿命は通常の2日間から3日間にまで延びたということです。 小林教授は「老化のメカニズムの一つが解明された。将来的には人の寿命を延ばすことにもつながる可能性があると思う」と話しています。
体のさまざまな組織になるiPS細胞とES細胞から、大きさが最大で4ミリほどのヒトの脳の組織を作り出すことに、イギリスなどの研究グループが成功しました。複雑な構造をもつヒトの脳の組織が出来たのは世界で初めてで、研究グループでは、脳の病気の解明などに役立つとしています。 イギリスとオーストリアの研究グループは、さまざまな組織になるヒトのiPS細胞とES細胞を、それぞれ神経の元となる細胞に変化させたあと、ゼリー状の物質の中に入れ4日間、培養しました。そして、別の容器に移して培養液と一緒にゆっくりとかき混ぜる作業を続けたところ、それぞれ脳の組織が形づくられ2か月後には、最大で4ミリほどの大きさにまで成長したということです。 出来た脳の組織は、ヒトの大脳皮質のように神経細胞の層が重なり、記憶をつかさどる海馬の細胞や目の網膜の組織も含まれていました。また、研究グループでは、脳が生まれつき小さい「小頭症
2013-08-27 ヒツジのツノ遺伝子に見る生存と繁殖のトレードオフ、あるいは世界がイケメンパラダイスにならないけっこう単純な理由の一例。 生殖 研究 動物 Big horns clash with longevity in sheep : Nature News & Comment 論文:Life history trade-offs at a single locus maintain sexually selected genetic variation : Nature : Nature Publishing Groupダーウィンの提唱した性選択にはパラドックスがあって、メスにモテるあるいはオス同士の競争に打ち勝つ「繁殖に有利な形質」があるのなら、子孫はいずれそういうイケてる形質ばかりになるはずが実際にはイケてない連中も常にいる。そういう多様性が維持されてるのなんでかなーとずっ
その人の考え方の特徴やタイプを表わすのに右脳型とか左脳型という言葉が良く使われる。男性は左脳型、女性は右脳型などとも言われており、「地図が読めない女性」は右脳型の典型とも言われていた。 右脳型の人は創造性があって感情的、左脳型の人は論理的で解析的とされ、それぞれ右脳や左脳をの使い方がどちらかに偏っていると信じられていた。だが実際はそんなことはないという。最新の研究結果では、右脳と左脳の活動に個人差はないということが判明した。 左右の脳機能の使い方に個人差は見いだせなかった 米ユタ州ソルトレイクシティにあるユタ大学の神経科学者、ジェフ・アンダーソン率いる研究チームは、2年間に渡り、7~29歳の1011人の被験者の脳の神経活動を観察、7000以上の区域に分けた脳画像から右脳・左脳の機能に個人差があるのかどうかを、IDI(International Neuroimaging Data-Shari
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