多忙な私を見かねて、仕事が見つからず暇な彼が都合のいいときにたまにうちに来て、家事をやってくれるようになった。 なぜか彼は家事のセンスがあった。洗濯もアイロンがけも掃除もものすごいスピードでできて、料理もおいしかった。 理系だったので、決められたレシピをそのままに作ったり、 アイロンがけをきっちりやったりするのは向いていたのだと思う。 帰るときには毎回、自作の美味しいおかずを冷蔵庫に入れていってくれた。女の子だったら通い妻である。 そんな生活をし始めてから、それまで荒れ放題だった我が家と私の肌が劇的に綺麗になった。 私の職場は、残業がものすごく多い会社だが、その分残業代はちゃんと出るため、給料は多めにもらっている。 「主夫になってもらおうかなあ。」ふとそんな考えを母親や女友達に相談すると、「絶対だめだめ!」と言われる。 「今は共働きのほうが多い時代だし、彼が主夫になったら子どもを育てるお金