「なぜ、日本にはこんなに多くのITベンダーが存在するのか」。米国のITベンダーの経営者が、必ず一度は日本法人に対して投げかける質問だ。しかも、彼らが「多い」と思っているITベンダーは、実は氷山の一角。自社製品・サービスを売ってもらうSIerしか、その視野に入っていない。当然、多重下請け構造の中にいる多数の受託ソフトウエア開発会社は想定外だ。 では、いったい日本にITベンダーは何社あるのか。ITベンダーの定義は難しいが、SI事業に携わる企業や、その傘下で開発業務を担う企業は、零細企業も含めるとざっと1万5000社に達する。これだけの数のITベンダーが、多重下請け構造のピラミッドを構成しているのだ。6次請け、7次請けといった“超”多段階下請けの話もたまに聞くが、この社数ならそれも当然だろう。 これだけの数のITベンダーが集積していると、顧客である企業や公共機関のあらゆるニーズ、どんなワガママに
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