東京電力が発注する工事の価格が、福島第一原発事故の後も高止まりしていることが、東電が専門家に委託した調達委員会の調べでわかった。今年度の原発工事などで、実際にかかる費用の2~5倍の価格で発注しようとするなどの事例が多数見つかった。東電は新再建計画でコスト削減の徹底を進める方針だが、体質は依然として改まっていない。 電力全社の設備投資は年間2兆円規模あり、産業界や政官界に大きな影響力を持つ源泉とされる。東電などが市場価格よりも高値で発注することで、受注するメーカーや設備・建設事業者は多額の利益を確保できる。調達費用の高止まり分は電気料金に上乗せされ、利用者が負担している。 調達委員会は年間1兆円規模の資材購入や工事発注を調べている。ある発電所の工事では、実際の人件費が1日1人あたり1・5万円だったにもかかわらず、受注側の見積もりが3・1万円の例があった。東電から大手メーカー、子会社、下請け企