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ブックマーク / www.seikyusha.co.jp (7)

  • 第1回 書店を辞めて、遍在する本屋を目指す | 青弓社

    久禮亮太(久禮書店〈KUREBOOKS〉店主。あゆみBOOKS小石川店の元・店長) はじめまして、久禮亮太と申します。今年の1月に、新刊書店のあゆみBOOKS小石川店の店長の職を離れ、「久禮書店」を始めました。 「久禮書店」とは名乗っていますが、まだ店舗はおろか、の在庫も持ってはいません。ネット古書店や、いわゆるアフィリエイトで稼ごうというものでもありません。書店員の仕事の経験や人脈、技能を携えてあちこちへ出向くという、いわばフリーランス書店員を始めることにしたのです。 勝手に始めたこのわけのわからない取り組みに対して興味を示してくださる方々がいて、ありがたいことに、報酬がある仕事をくださる方も現れました。 独立して初めての仕事は、新刊書店でもあるブックカフェで、売り場全体の選書をすることでした。また別の、と雑貨とカフェの店では、ブックフェアの選書に加えて、書籍担当スタッフに書店

  • 第4回 中居正広と笑い | 青弓社

    太田省一(社会学者。著書に『紅白歌合戦と日人』〔筑摩書房〕、『社会は笑う・増補版』〔青弓社〕など) 「ツ」と「シ」 「俺が物だムニダ」と怪しい片言の韓国語を交えて主張する中居正広。いや、自分が物のチョナン・カンだと言う香取慎吾。だがどこから来たのかと問われると香取はフィリピン、中居はソ連と答える始末。間に挟まれた当のチョナン・カン、草彅剛は困惑している様子だ。そうこうしているうちに、香取慎吾がチョナン・カンの持ち歌『愛の唄 ~チョンマル サランヘヨ~』を奇妙なテンションで歌い踊り始め、中居正広と草彅剛もつられて踊り始める。 これは2003年のSMAPコンサートツアー「SMAP’03“MIJ Tour”」の一場面である。実はこの3人は、SMAP内で結成されたお笑いユニットだ。その名も「スマシプ」。「ツ」ではなく「シ」である。紛らわしく一瞬見間違えてしまいそうだが、それには狙いがある。

  • 第2回 中居正広とヤンキー | 青弓社

    太田省一(社会学者。著書に『紅白歌合戦と日人』〔筑摩書房〕、『社会は笑う・増補版』〔青弓社〕など) イタい私服 前回は「中居正広と」というテーマで話を進めたのだが、「中居くんとの話なのにあのにはふれないの?」と思った方もいらっしゃったかもしれない。「あの」とは、『私服だらけの中居正広増刊号~輝いて~』(扶桑社)のことである。2009年に第1弾が発売されてベストセラーになり、その年のタレント部門売上第1位にもなった。その後、『Part2』(2012年)、『Part3』(2013年)と続き、今年4月には『Part4』が出版された。 ご存じの方も多いだろうが、このは、この3月で32年の歴史に幕を閉じた『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系、1982―2014年)から生まれた企画である。そもそもの発端は、『笑っていいとも!増刊号』のなかで中居正広の私服センスが話題になっ

  • 第9回 文化系女子、独身か、結婚か、――出産か | 青弓社

    真魚八重子(映画文筆業。「映画秘宝」「キネマ旬報」「TRASH UP」ほかで執筆多数) 文化系女子の業(ごう)は、「自分はほかの人とはちょっと違う」というおごりに始まると思う。少女期にそんな思いを抱いて、そのまま理想の生き方を追求していくとどうなるか。親が現実主義の場合、そんな将来の青写真は、経済的にも一発大勝負に出るようなもので、普通は通用しないと教えるだろうし、それを受け止めてまっとうに就職したり、社会的に経済観念と勤労意欲のある男性と結婚したりして、出産と育児もこなしていくことを考える。文化系な嗜好も余暇の趣味の領域でとどまっていくだろう。 でも自分が特別だと思ったまま年を取ってしまった場合、そして親も同様の考え方だったり、子どもの我が強くて親の抑止力がはたらいていないと、けっこう取り返しがつかない羽目になったりする。特に孤独なまま突っ走ってしまったとき、気がつくとなんの保証も手にせ

  • 第4回 映画にみる「セックス恐怖症」の女子たち | 青弓社

    真魚八重子(映画文筆業。「映画秘宝」「キネマ旬報」「TRASH UP」ほかで執筆多数) 第3回のメンヘル系女子でとりあげた映画『17歳のカルテ』で、境界性人格障害と診断されたウィノナ・ライダーは、症状として「淫乱性」をあげられていた。前回ふれた映画では、それぞれのキャラでやけっぱちな性衝動が目立っていたが、実際のところ、そんな画一的ではなくて、誰しもが当てはまるわけではない。メンヘルでも、リスカする人もいればしない人もいる。同様に、性衝動で同じ傾向が出るものではない。 世間には「性嫌悪症」が激しい人も多い。もちろんセックスへの恐怖が心の病気という意味ではなく、あまりにこじらせて病に発展してしまう場合があるということで、特に映画表現は過剰になるから、レアケースを描くことになる。性嫌悪症自体も色々原因があり、不潔感を覚えるという根源的な感覚だったり、親の潔癖なしつけや、小さい頃不快な経験があっ

  • 第3回 映画に登場するメンヘラ系女子 | 青弓社

    真魚八重子(映画文筆業。「映画秘宝」「キネマ旬報」「TRASH UP」ほかで執筆多数) 誰でも、男女問わず精神的に調子の悪いときはある。仕事がうまくいってなかったり、環境の変化、失恋、家族や友人などの人間関係のこじれ、また体の病気を抱えてしまったりしたら、沈な気分になるのも当然なことだ。逆に、それをなんなくクリアして過ごせるくらい、強靭なメンタリティーをもった人のほうが珍しいだろう。 特に女性だと、PMS(月経前症候群)というのがほんとにめんどっくさいもので、人によって症状の多寡はあるが、神経質な子は生理前になるとなんの意味もなく、不安やパニックに襲われて泣きだしてしまうとか、そういう精神面での影響が大きい。でも、それはあくまでホルモンのいたずらであり、心を病んでいるわけではない。 でもこういった足元をすくわれるような不安が慢性化していて、日常生活や、対人関係で長期にわたって支障をきたし

  • 第2回 映画にみる文化系女子の自意識 | 青弓社

    真魚八重子(映画文筆業。「映画秘宝」「キネマ旬報」「TRASH UP」ほかで執筆多数) 誰でも自意識は大なり小なりあって、自己評価や、他人の目に自分がどう映っているかは気になるものだ。そして、その自意識に溺れて周囲との距離感が冷静につかめなくなったり、他人からの評価とのバランスがうまくつりあわないとき、めんどくさいことになりがちなのが文化系女子だと思う。 クラスや会社の同僚たちが、とても退屈な人間に見える。自分は映画音楽をどんどん開拓して、豊かな感受性を育んでいるのに、書店で山積みになっている自己啓発を読んで「気づき」とか言いだしたり、凡庸な歌詞の日語ラップをカッコイイと思っていたりする周囲の人々。話の合う恋人ができなくて「こういう人たちって合コンでいくらでも相手見つけられるんだよね」と、悔しまぎれに同類な友人と話したことがあった。趣味の分母が大きいから、「ミスチル好きなんですよ

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