──「剣か、『コーラン』か」がムスリムの常套句ではないのですか。 本来は「『コーラン』か、税か、剣か」が正しい。イスラームはむしろ商業と相性がよく、好戦的ではない。預言者ムハンマドも商人だった。商業的に栄えるよう、異教徒でも安い税金さえ払えば永住権が保障された。 ── 一方で、ジハード(聖戦)が天国への近道ともいわれます。 ジハードはアラビア語では三つの語根j、h、dから派生した動詞ジャーハダの動名詞。違うベクトルの力の拮抗を意味する。『コーラン』では、多神教徒がムスリムにイスラームを捨てさせ多神教に戻そうと試みることも、ジハードと呼ばれている。戦闘はジハードの特殊ケースにすぎない。 ジハードに聖戦の意味はない ──ジハードはムスリムの義務とされています。 聖戦と和訳されているが、アラビア語に聖に該当する言葉はあるものの、その意味はジハードにはない。聖戦という訳は正確ではない。イスラームの
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