水中を舞うように泳ぐ姿から「天使」にも例えられるクリオネ。その姿が悪魔に豹変(ひょうへん)する珍しい瞬間を北海道立オホーツク流氷科学センター(北海道紋別市)が連休中に公開する。 クリオネは殻を持たない巻き貝の仲間で、毎冬流氷とともにオホーツク海沿岸にやってくる。頭の上が口で、ここから6本の触手(バッカルコーン)を出し、餌を捕まえて食べる。不気味な姿が悪魔とも呼ばれている。この捕食の様子を見せる。 与える餌はクリオネの仲間で貝殻があるリマキナ。クリオネの詳しい食生活は不明だが、リマキナを食べることはわかっている。数ミリの大きさで、クリオネの採集の際に混じる。だが、「クリオネ先生」で親しまれる学芸員の桑原尚司さん(39)が今冬捕まえたクリオネ約5千匹のうち17匹、昨冬は4万匹のうち2匹しかいなかった。桑原さんは「リマキナが希少すぎて、なかなか毎年は見せられません」と話す。 3~5日の午前と午後