いま我々は、レジ袋有料化以後の世界に生きている。もうあと戻りはできない。いや、しようと思えばできるんだろうけど。 レジ袋が完全有料化されたおかげで、あちこちで珍妙な光景を頻繁に見かけるようになった。 弁当と缶コーヒーと漫画雑誌を両手いっぱい胸いっぱい抱えたまま、コンビニからふらふら出てくる人。たった三円の袋代をどうしても払いたくないあまりに、レジ係に長時間ブチ切れて列を渋滞させる人。レジ袋の代替物をひらめいた俺天才とばかり、サッカー台にロールされている無料の透明ビニール小袋を何枚か巻き取って、なんとかそこへ買った物を一個ずつ収めたはいいが、取っ手がないため滑りやすいそれらをどう持っていいものやらわからなくなって途方に暮れている人――。 そういった困難を味わうことによって、ある者は複数の物体を持ちやすい形にまとめてくれる「袋」という物の重要性を、ある者は三円という極小通貨の価値を、ある者は「
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