首相官邸のレッドカーペットから一転、寒風吹きすさぶ四畳一間の独房へ―。2019年の参院選広島選挙区での買収事件で妻の河井案里氏とともに逮捕され、懲役3年の実刑判決を受けた河井克行氏(61)。法務大臣経験者が受刑者になった史上初めての事件で、昨年11月、仮釈放された。 法務省のトップといえば、日本全国の刑務所のトップでもある。そんな法務大臣・副大臣を歴任した河井氏の目に、刑務所の中はどう映ったのだろうか。何か得がたい経験はあったのか。そして現在、妻・案里氏との関係は。 今回、逮捕後初めて、共同通信のインタビューに応じた河井氏。「多くの気づきがありました。次、法務大臣になったら良い大臣になるよ」と、冗談とも本気ともつかないような言葉を口にする。真意を聞いた。(共同通信=武田惇志) ▽「刑務所は再犯生産工場」 河井氏が収監されたのは、喜連川社会復帰センター(栃木県さくら市)の独房だった。半官半民
※『世界』2024年8月号収録の記事を特別公開します。 「鹿児島県警は芯から腐り切っている」 誤解を恐れずに評すれば、出来の悪い警察小説か警察ドラマの筋立てかと見紛うような、あまりにあからさまであまりに剝き出しの権力犯罪である。 だが、現実にそれは起きた。いや、現在進行形で起きている。そして一連の事態は、この国の警察組織や刑事司法の闇を照射し、同時にメディアやジャーナリズムの真価を根本から問うてもいる。 福岡市の中心部にほど近い一角に佇む築40年を超える古びたマンション。すべての端緒を切り拓き、歪んだ捜査の標的にもされたネットメディアは、この一室に拠点を置いている。ほぼ一人で運営する小メディア『HUNTER(ハンター)』の主宰者は中願寺純則(64)。編集作業に使っているという六畳ほどの狭い部屋で私と向きあった中願寺は、常に背筋を伸ばしたまま淡々と、しかし静かな怒気を端々に滲ませて口を開いた
黙秘を続ける容疑者に対し、検事が「ガキだよね」などの発言を繰り返したのは、黙秘権の保障の趣旨に反する違法な取り調べだとして、東京地方裁判所は国に110万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。 元弁護士の江口大和さんは、6年前に横浜市で起きた無免許運転の死亡事故をめぐり、運転していた男にうその供述をさせた疑いで逮捕され、その後、有罪が確定しました。 江口さんは当時、取り調べに対して黙秘を続けていましたが、横浜地方検察庁の検事から「ガキだよね」「うっとうしい」などと言われ、精神的な苦痛を受けたとして、国に賠償を求める訴えを起こしました。 国は「真実を供述するよう説得した」などとして争っていました。 18日の判決で東京地方裁判所の貝阿彌亮裁判長は、取り調べについて「事件とは関係なく侮辱的な発言を一方的に繰り返した。人格的な非難を繰り返すことで黙秘をやめさせようとしたと認めざるを得ず、黙秘権の保障
note書きました!黙秘してもらおうと思ったけど上手くいかなかったという悩みをよく聞きます。実現できたことがないからそもそも黙秘を助言しないという人もいる。普段私がどのように黙秘を助言しているかをまとてました。#黙秘 黙秘実現のための6つのステップ https://t.co/HuBWwlrKTS — 髙野傑(高野傑)/Takano Suguru (@su_takano) July 15, 2024 黙秘している方に対して警察官が「とある弁護士事務所のWebページには黙秘をしているとこれだけ不利になると書いてあったぞ」と言ってそのページを印刷したものを見せてきた、ということがありました。黙秘を破る新しいやり口だなと思うのと、どこの事務所さんか知りたいと思いました。 — 髙野傑(高野傑)/Takano Suguru (@su_takano) July 5, 2024 今年に入ってから、私自身が
北海道・旭川で女子高校生が川に落とされ亡くなった事件で、『週刊文春』に加害者女性との不倫疑惑を報じられた警察官らが、同加害者や未成年女性らと飲食をともにしているとみられる写真がみつかった。市内の歓楽街で写真を入手したという男性は「地元市民として情けない。警察は襟を正して」と、警察官らの不適切な行為を批判している。 ◆ ◆ ◆ 問題の写真を入手したのは、悪質ホスト問題の被害者などを支援する「青少年を守る父母の連絡協議会(青母連)」旭川支部長で、NPO法人「北海道駆け込み相談所」の代表も務める旭川市の岸本和幸さん(51)。同市内で探偵業を営む傍ら2011年からボランティアで夜の街の青少年らの困りごと相談に応じ始め、地域の問題のみならずいじめや家庭内暴力などの問題とも向き合ってきた。旭川の歓楽街「三六街」に加え、札幌・ススキノで働く女性からホスト被害の相談を受けたこともあり、活動を通じて
鹿児島県医師会による“不自然な経緯”まずは、鹿児島県警による一連の問題を振り返っておこう。 「鹿児島県警に全国の目が向いたのは、今年3月に退職した県警元警視正で前生活安全部長の本田尚志被告(60)=国家公務員法違反罪で起訴=が、内部資料をフリージャーナリストに漏えいしたとして5月30日に逮捕されたことがきっかけです。 本田被告はその動機について、盗撮容疑がある現職警察官への捜査を県警トップの野川明輝本部長が止めたとし、『県警警察官の犯罪行為を、野川明輝本部長が隠蔽しようとし、いち警察官としてどうしても許せなかった』と主張しました。これが本当なら、本田被告の行為は秘密漏えいではなく、公益通報にあたる可能性があります。 しかも、県警が別事件の捜査名目で福岡のニュースサイト『ハンター』に行なった家宅捜索で押収した資料から、本田被告の“容疑”が浮上したことがわかりました。その後、多くのメディアが取
鹿児島県警察本部の元生活安全部長が起訴された情報漏えい事件で、県警は21日の記者会見で元部長が主張する不祥事の隠蔽について改めて否定した一方、警察官による盗撮事件の捜査で、本部長の指示が警察署に誤って伝わり、2日間捜査が中止されていたことを明らかにしました。 警察庁は週明けから監察を行い再発防止の観点から事実確認や原因の分析を行う方針です。 鹿児島県警察本部生活安全部の元部長、本田尚志被告(60)は、個人情報を含む内部文書をライターに漏らしたとして、国家公務員法の守秘義務違反の罪で21日に起訴され、県警の野川明輝本部長は記者会見で、元部長が主張する不祥事の隠蔽を改めて否定しました。 一方で、県警は元部長が「本部長が隠蔽を指示した」と主張している警察官の盗撮事件について、野川本部長が引き続き捜査を尽くすとともに不祥事防止などの教養を行うよう求めた指示を、管轄する枕崎警察署の署長が誤解して署員
去年11月神奈川県の平塚警察署にある取調室で覚醒剤の入った袋が見つかり、神奈川県警がこのとき取り調べていた40代の男性のものだとして誤って逮捕していたことがわかりました。覚醒剤入りの袋は1か月半ほど前に別の容疑者が隠したもので、警察は男性に謝罪しました。 神奈川県警察本部によりますと去年11月、平塚警察署の取調室で覚醒剤を使用した疑いで40代の男性を調べた際、覚醒剤の入った袋が足元に落ちているのが見つかりました。 男性は「自分の物ではない」と説明しましたが、神奈川県警はことし2月にこの覚醒剤を所持した疑いで男性を逮捕しました。 しかし、その後袋の中身をDNA鑑定するなどした結果、別人のものと確認され、誤って逮捕したことがわかったということで、男性は1週間余りあとに釈放されました。 覚醒剤の入った袋は1か月半ほど前に別の事件の34歳の容疑者が取調室の机と壁の間に隠したもので、気づかれないまま
自治体の要請でヒグマを駆除して公安委員会から銃所持許可を取り消された北海道のハンターが起こした裁判で9月上旬、控訴審を審理する札幌高等裁判所が当時の駆除現場を訪れ、現場検証を行なった。同裁判では一審・札幌地裁も同じ現場で2020年10月に検証を実施しており(既報)、裁判官がヒグマ駆除の現場を歩いたのは今回で2回目。 ■ヒグマ駆除後、不当に銃所持許可取消し 銃所持許可取り消し処分の撤回を求めて北海道公安委を訴えたのは、北海道・砂川市で地元猟友会の支部長を務める池上治男さん(74)。狩猟歴30年超のベテランハンターで、当時から市の鳥獣被害対策実施委員として活動していた。この現場検証の前日も市内のヒグマ目撃現場に出動しており、銃を持たない現役ハンターとして今も当地の鳥獣被害に対応し続けている。 のちに問題とされる駆除行為があったのは、2018年8月のこと。砂川市郊外の宮城の沢地区にヒグマが出没し
おやっ、偶然、本棚の脇にあった蔵書が目についた。いや、たまたま。 「ひめゆりの塔」「伊勢神宮」で襲われた今上天皇 菊の御紋章と火炎ビン (文春文庫 さ 22-17) 作者:佐々 淳行文藝春秋Amazon狂瀾怒濤の「昭和50年」に一体何があったのか。当時の警備責任者が初めて明らかにする皇室を襲った「危機一発」の衝撃の事実の数々 ※んー、佐々は別に電子書籍化に抵抗がある人じゃないし、実際に多くがkindle化してるんだけど、これの電書はないの?彼はタイトル改題も多いから、そういう可能性もあるかな…? ただ電子書籍も無いし、多くのウェブストアで「在庫なし」だとすると……この本って、ひょっとして貴重?「いまは事情があって増刷とか電子化とかされてません」と言われたら、まぁ納得するっちゃするけどさ(笑) (後半に、その理由かもしれない、って部分について触れておいた) 思うところあって、この本の中身を、
フランスのセックスワークと法律について、パリ政治学院の研究者、エレン・ルバイさんにインタビューしました。 Part.3では、2016年にフランスで成立した、性サービスを買ったお客さんを処罰する法律「買春処罰法」が、セックスワーカーたちの仕事や生活に及ぼした影響についてお聞きしました。 (Part.1「フランスのセックスワークってどうなってるの?」、Part.2「フランスのセックスワークに関する法律「買春処罰法」はどんな法律か?」もぜひご覧下さい) 以下、動画の字幕テキストです。 2016年の法律の可決後に私と数人の研究者がたくさんのNPOと働いて、2年間に渡って調査を行い、2018年に結果を発表しました。 大勢の人が参加したその調査は、2016年の法律に関係を持った人たち、つまりセックスワークをする人たちが、その法律の可決によって受けた影響を研究の対象にしました。 研究結果がとても多いので
昭和48年4月4日、最高裁判所大法廷で日本初の画期的な判決が下された。尊属殺の重罰規定を巡って違憲か合憲かが争われた裁判で、最高裁判所は初めて違憲審査権を発動し、刑法200条は違憲であるとの判断を下した。この裁判を戦った弁護士がいる。大貫正一氏(大貫法律事務所・栃木県宇都宮市)は、父親の大八氏とともに裁判を担当、最終的に違憲判決を勝ち取った。本事件のあらましと裁判について、大貫氏に話を伺った。 取材/山口和史・池田宏之 Interview by Kazushi Yamaguchi,Hiroyuki Ikeda 文/山口和史 Text by Kazushi Yamaguchi 大貫法律事務所弁護士 大貫正一氏 Shohichi Ohnuki (弁護士ドットコムタイムズ<旧・月刊弁護士ドットコム>Vol.21<2017年6月発行>より) 苦学の末司法試験を突破 弁護士としての第一歩 自身の半生
今は刑事事件やっていないが、登録してから数年は国選を年20件くらいやった。最初の就職地は首都圏ではあるが支部管轄だったので国選がかなり回ってきて、民事が手薄な新人には重要な収入源だった。 被疑者国選のほとんどは自白事件なので情状弁護をすることになるが、過去は変更できないから犯情事実でできることは少なく、したがって理論上は量刑に与えるインパクトが最も小さい一般情状の、さらにその中でも示談・環境調整・反省が仕事の中心になる。示談によって被害の回復を図り、環境調整と反省によって再犯防止を図り、これらの事情を起訴・不起訴の判断や量刑に反映させるのが仕事である。 謝罪文や反省文というのは、被害者を慰撫して示談の可能性を高めるツールであると同時に、本人の反省の深化・具体化を促すとともにそれを証拠化するツールでもある。というか、すばらしい謝罪文があるから示談できたなどということはまず無いので、主な目的は
化学機械メーカー「大川原化工機(おおかわらかこうき)」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、警視庁公安部が不当な取り調べを行っていたと指摘する、内部メモが存在していることが判明した。大川原側が起こした国家賠償訴訟の1審・東京地裁判決(2023年12月)は取り調べの違法性を認め、東京都に賠償を命じ、大川原側、都側が控訴している。大川原側は近く公用文書毀棄(きき)と虚偽公文書作成の容疑で取り調べ担当の捜査員ら2人を刑事告発する方針で、刑事、民事両手続きで是非が争われる見通しとなった。 問題の取り調べは、軍事転用可能な装置を不正輸出したとして外為法違反容疑で逮捕された同社元取締役の島田順司さん(70)に、逮捕直後に認否を聞いた「弁解録取」(20年3月)と呼ばれる手続き。
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