女と男のだましあい―ヒトの性行動の進化 作者:デヴィッド・M. バス メディア: 単行本 原著は1994年、邦訳も2000年とかなり古く、進化心理学の本のなかでは「古典」の部類に入るものだ。そして、古典なだけあって、進化心理学の考え方のなかでももっとも基本となる部分が詳しく紹介されているところが参考になる。 タイトル通り、人間の男女の性行動について、繁殖を成功させるための「戦略」という観点から分析する議論が主となっている。 ・冒頭の、「恋愛」や「愛情」の自然性(実在性)を論じる箇所はとくに興味深い。 さらに問題を複雑にしているのは、愛情というものが、人間の生活のなかで中心的な役割を果たしていることだろう。恋愛という感情を体験しているとき、人間はその虜となってしまう。また、愛情を向ける対象が存在していないときには、恋愛の空想が頭のなかを占めてしまう。愛ゆえの苦悩は、おそらく他のどんなテーマに
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