散歩の道すがら、近所の公園に新しく桜の木が植えられていることに気づいた。何年かすると、公園の遊歩道がりっぱな桜並木になるのだろうか。密かな楽しみが増えた。 すっかり夏めいた季節になってしまったが、桜を眺めて思い出すアニメは決まって『秒速5センチメートル』(2007)だ。とくに電車の音をバックに花びらがはらはらと舞い落ちる様など、恰好の「秒速風景」。そういう時は心に住みついた作品になってしまったなあ、と感慨に浸ってみたりする(だれにでもあると信じたい)のだけど、考えてみると妙な話。現実の桜の花びらは秒速5センチで落ちてこないのに、『秒速5センチメートル』と思ってしまうのだ。ちょっとへんな現象である。 これが実は、喉の奥に引っ掛かった小骨だった。映画の公開当時は花びらが落ちるスピードなんて気にした事もなく、作中の貴樹よろしく「へえ、そうなんだ」と無邪気に頷いていた。しかし後にそうじゃない、もっ
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