2010年9月初めのニューヨークから見たアメリカの風景を僕なりに素描してみよう。 経済の全般的停滞が続いている。景気は相変わらず思わしくない。NY現地時間の3日に発表されたばかりの米労働省雇用統計によると、8月の失業率は9.6%と、7月の9.5%とほぼ横ばいでなかなか改善の兆しが見えない。民間部門の雇用者数が6万7000人増加したとしているが、全体的には8月だけで12万1000人が職を失った計算になる。オバマ政権の繰り出してきた経済刺激策も不発気味で、雇用統計の内容を受けて、追加景気刺激策が来週中にも発表される。オバマ大統領は「正しい方向に向かっていると確信しているが、より力強い景気回復を促進し、雇用創出を加速させていきたい」と述べるにとどまっている。今年第2四半期のGDP(国内総生産)も1.6%と下方修正されたばかりだ。景気の減速感が一層鮮明になっている。こうしたなかで、中国が日本を抜い