ブックマーク / kocho-3.hatenablog.com (7)

  • 太陽がある限り進化は終わらない~『情報と秩序:原子から経済までを動かす根本原理を求めて』C・ヒダルゴ氏(2017) - 毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

    情報と秩序:原子から経済までを動かす根原理を求めて セダルゴ氏は複雑系経済学の研究者、経済成長とはそもそも情報成長のひとつの表われにほかならない(2017) 情報とは ・・・来情報は物理的なものだ。・・・確かに、情報は触れない。固体でも液体でもない。情報の粒子があるわけでもない。それでも、同じく固有の粒子を持たない運動や温度と同じくらい物理的なものだ。情報は実体を持たないが、いつでも物理的に具象化されている。情報はモノではない。むしろ、物理的なモノの「配列」、つまり物理的秩序といえる。たてるなら、一組のトランプを様々な方法でシャッフルした状態と同じだ。(20ページ) 地球は非平衡 地球は平衡に向かってまっしぐらに突き進む巨大な系―つまり宇宙―の内部にぼっかりと存在する、非平衡のポケットだからだ。実際、地球はいかなる平衡にも近づいてこなかった。地球の核の内部で起きている核崩壊と太陽のエネ

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  • 40年の生物学者から学ぶ、人は好きでないものでも尊敬できる能力がある証拠~『生物多様性 ~ 私から考える進化・遺伝・生態系』本川 達雄 氏(2015) - 毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

    生物多様性 - 「私」から考える進化・遺伝・生態系 (中公新書) 川氏は動物生理学野研究家、 地球上には、わかっているだけで一九〇万種、実際は数千万種もの生物がいる。その大半は人間と直接の関わりを持たない。しかし私たちは多様なこの生物を守らなければならない。それはなぜなのか―。2015年刊 どうして多様な生物がいるのか? (生命を)続いていくために「私」の多様性をある程度認めてしまおうとする生物の戦略が、はからずも種の多様性を生み出す結果となり、へたをすれば新しく生じた種に滅ぼされることにもなったからです。(234ページ) 実は「私」は輪郭がぼやけている 書で提案したいのは、空間の上でも時間の上でもまわりとは切れてはおらず、次世代や環境という時間的空間的なまわりを取り込んだ「私」感です。まわりとの境界がはっきりせず輪郭がぼやけているのですが、それだけ広い範囲を含むものです。(233

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  • デスクワークに身体性を取り入れる方法はないか?と考え深く深呼吸してみる。~『ロボットという思想』浅田 稔 氏(2010年) - 毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

    ロボットという思想~脳と知能の謎に挑む(NHKブックス) 浅田氏は認知発達ロボティックスの研究者。ロボットがココロを持ち、私たち人間とコミュニケーションする日はくるのか。学習し成長するロボットをつくりだすことで、人間の知性と身体の驚くべき関係が見えてきた。2010年刊 子供アンドロイドは補助者の力(=外部性)を借りて歩行プログラムを改善していく。 認知発達ロボティックス 獲得すべき行動をロボットの脳に直接書き込むのではなく、他者をふくむ環境を介し(社会性)、ロボット自身が自らの身体を通じて(身体性)、情報を取得し解釈していく能力(適応力)とその過程を持つことです(自立性)。(94ページ) ロボットが身体を持つ意味 (二足走行ロボットなどは)人間の身体構造(筋肉や感覚器)からうまく学び、それを利用して、それぞれの行動を実現してきたと述べました。そうした発想からロボットをつくった結果、あ

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  • 南極点で考える、宇宙の始まり~『宇宙はどうして始まったのか』松原 隆彦 著(2015) - 毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

    <宇宙はどうして始まったのか (光文社新書) 松原氏は宇宙論の研究者、この宇宙は、「無」から始まったのか。 私たちは宇宙の存在の謎にどこまで迫ることができるのか。2015年刊 宇宙の無を想像できるか? そもそも宇宙とは何なのだろうか?中国の古い文献「淮南子」によると、空間のことを宇と呼び、時間のことを宙と呼ぶ、とされている。この呼び方にしたがえば、「宇宙」とは時間と空間を合せた存在、ということになる。・・・宇宙がない状態だという「無」とは、時間と空間を合せた存在、ということになる。(39ページ) 『淮南子』(えなんじ)は、前漢の武帝の頃、淮南王劉安(紀元前179年–紀元前122年)が学者を集めて編纂させた思想書 南の果てには何があるか? 南極からずっと離れたところにいれば、南という方向はどこでも同じ方向を向いているように見える。しかし、南極点に近づけば近づくほど、南という方向が南極点に

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  • 欧米文学の源流は『オデュッセイア』、この模倣から文学がスタートしている~『早わかり 世界の文学 』清水義範(2008) - 毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

    早わかり世界の文学―パスティーシュ読書術 (ちくま新書) 作家・清水義範の小説スタイルは「パスティーシュ(模倣芸術)」と呼ばれてきた。世界の文学はつながっている。2008年刊 パスティーシュ読書術 パスティーシュはフランス語であり、美術などで使われる用語で、模造品、模造画という意味である。そして、文学でも、模倣作品、という意味で使う。つまり、模倣という作業によって、もとのものとは別種の、次元の異なる面白さが出てくるという技法である。(52ページ) 世界十大小説~『オデュッセイア』ホメロース著 紀元前800年頃 古代ギリシャの英雄叙事詩である。紀元前12世紀に実際にあったトロイア戦争での、英雄アキレウスの活躍を描くのが、もう一つの名作『イーリアス』であり、その戦地から10年もかかって知恵の男オデッセイスがギリシャに帰還する話が、『オデュッセイア』である。(107ページ) 10年 に渡

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  • 進化論に対する疑問をコンピュータアルゴリズムで解釈する~『人口生命』というアプローチ - 毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

    計算しないで進化は論じられない」 コンピュータで生命想像を研究する「人工生命」の方法で、進化について解明をはかる。1998年刊 人口生命とは 生化学やコンピュータ上のモデルやロボットを使って、生命をシミュレーションすることで、生命に関するシステム(生命プロセスと進化)を研究する分野。 進化論に関する疑問 突然変異はたいて有害で、それを取り除く自然選択が働いている。突然変異によって優れたものが生まれたとしても、それは孤独で相手もいないし、子孫が増えるとは考えにくい。 人間は動植物などの進化を説明する学説には従わないのではないか?なぜなら、人間は自由意志で自己を向上させることができ、これによって人間に固有な高度の精神活動や文化が発展してきたからである。 (3ページより) 星野氏はこの疑問をコンピュータで生命現象を研究する「人口生命」というアプローチで実際に計算を行ない以下の解釈を得る 疑問①に

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  • 我々は脳がすべてをコントロールしていると思っていないか?~書評「粘菌~偉大なる単細胞が人類を救う」 - 毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

    粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う (文春新書) 中垣氏は粘菌行動を物理的法則から分析しようとする「物理エソロジー」の研究家。 単細胞で脳も神経もなく、大きさも性別も、生物学上の分類さえ融通無碍な生物・粘菌。その粘菌が人間でも難しい迷路を解き、現代の発達した交通網をも独自に作り上げてしまう。2014年10月発刊 動物行動学と物理の融合 「単なる物質が集まることで“生きたシステム”に化ける」のが単細胞生物の面白さです。生き物であるのに、あたかもモノのよう。それならば、単細胞生物の賢さは、物質の運動法則から説き明かされて然るべきです。(9ページ) どうして粘菌は迷路の最短問題を解決できるか? (粘菌が)この体形が一匹としてつながっていながら、餌をべるのに都合がよかったからです。つながりを保つ為の資源は最小であり、また、細胞内の物質を輸送して情報交換していると思うと、太く短い管はコンダクティビテ

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