埼玉県草加市の女(昨年10月死亡、当時33歳)が東京、埼玉の計10市区から生活保護費計約1000万円を不正受給した問題では、早い段階で不正を見破り、支給を止めた自治体もあれば、都や警視庁などから情報提供があるまで気付かなかった自治体もあった。 自治体担当者から「もっと早く被害を食い止めるべきだった」との声が出ている。 草加市は、女が申請をした時点で不審に思い、他の自治体に問い合わせるなど独自に調査をした。これが全容が発覚するきっかけの一つになった。 「病院への移送費は出ますか」「申請日まで遡ってお金が出るはずですよね」 昨年3月30日、窓口でそう話す女に、市の男性職員は首をかしげた。「生活保護を受けたことがない」と言うのに、質問が専門的だったからだ。女は障害者手帳を見せ、「障害があって働けない」とも強調した。 「何かおかしい」。ひとまず支給を決定する一方、収入を隠しているのではないかと疑い