FMラジオを持ち寄り、東京都港区の都障害者福祉会館に集まった全日本視覚障害者協議会のメンバー16人は正午、ラジオからのテレビ音声が途絶えると、ため息を漏らした。 視覚障害者の多くは、FMラジオを通じてテレビのニュースやドラマ、ドキュメンタリーを楽しんできた。ところが、アナログ放送の終了で、従来のFMラジオでテレビ音声を聞くことはできなくなった。 同協議会は、国やメーカーに「地デジの音声もラジオで聞けるようにしてほしい」と要望。しかし、メーカー側から「採算が合わない」といった回答しか得られていない。会合に参加した横浜市の和泉厚治さん(60)は「新しい技術なのに、視覚障害者にメリットがないのは納得いかない」と話した。