28日閣議決定された総合経済対策の編成過程では、政府が一夜で4兆円を積み増すという異例の対応が取られた。岸田文雄首相は今回の取りまとめを「政治主導、大局観を発揮することを重視した」と胸を張るが、原案の予算規模に猛反発した自民党からの増額要求を首相がすんなり丸のみしたのが実情。政権を直撃する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題に収束の兆しはなく、一連の対策で局面打開を図れるか、綱渡りの政権運営が続く。 「つまらないプリンス」が首相就任会見で見せた「らしくない」顔 「トップダウンで万全の対応を図り、経済対策を国民の皆さんに徹底的に活用いただけるよう全力を挙げる」。首相は28日の記者会見で、生活に直結する物価高対策を中心に「出来栄え」を強調した。 その成果品となる2日前の26日午後。首相は官邸で鈴木俊一財務相から25兆1千億円の原案説明を受けた。「一度持ち帰らせてくれ」。首相は返答を避けた。